補助金の審査基準

目的・審査基準の実例 ‐ 補助金・助成金の審査基準

補助金・助成金などの審査基準で、事業計画がどのように審査されるかを見ていきましょう。
行政が行う補助金や助成金では、事業計画を評価する審査基準が公開されていることがほとんどです。その審査基準について、経済産業省関連の二つの事業の例を見てみましょう。
NEDO産業技術実用化開発助成事業
(研究開発型ベンチャー枠)
事業再構築補助金
目的とする
社会課題
重点化指針に沿った研究開発型ベンチャーの技術シーズの実用化の促進 新型コロナの影響を受けた企業が事業再構築することで売上を回復し日本経済の発展に寄与すること
事業性のための
審査基準
  • 市場ニーズを把握し、サンプルのユーザー評価の実施予定
  • 市場ニーズを踏まえた競争優位な製品開発
  • 開発・製造・営業などの事業化体制が確保でき、3年以内に事業化の可能性
  • 市場ニーズの把握、顧客の確保と市場ニーズの検証
  • 事業の競争優位性と解決課題の明確化
  • 事業遂行に十分な体制を確保し、資金調達や費用対効果の見込み

着目していただきたいのが、事業性のための審査基準です。
NEDOの研究開発型ベンチャーの助成事業でも、中小企業庁の新型コロナの影響を受けた一般企業向けの事業再構築補助金事業も、事業性のための審査基準のポイントはほぼ共通しています。そして、これらは一般的な経営戦略作成の流れに沿った検討ポイントです。つまり事業性の審査は、経営戦略フレームワークで問われる点が、きちんと事業計画書に書けているかを基準にしますよということを示しているわけです。

よって、事業計画書のストーリーを経営戦略フレームワークに沿って作成することは、基準を満たした事業計画書と判断してもらうことにとても重要です。また、基準の公開がない民間の投資であっても、企業や事業がどうしたら成功するのかの長年の研究成果が、一般的な経営戦略とそのフレームワークですので、ある程度これに沿って作成することは必要でしょう。

ただし、経営戦略フレームワークの中のどのポイントを重視するかは、投資する側によって異なるので、勝率を上げるためにも事前の調査は必要です。

NEDO産業技術実用化 開発助成事業(研究開発型ベンチャー枠)
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 Webサイトより引用
事業再構築補助金
事業再構築補助金 Webサイトより引用